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サウナ人 笹野美紀恵(中編)

笹野美紀恵#02

ブームを支える顔役たちに聞いた
サウナとその未来

ブームを支えるサウナ関係者に話を聞く連載がスタート!

1人目は、サウナ・ブームの火付け役ともいえるドラマ『サ道』にも出演していた「サウナの女神」こと、笹野美紀恵さんだ。

笹野美紀恵。
「サウナの女神」とも呼ばれる女性で、実家はサウナーなら知らぬ者はいない“サウナ聖地”と呼ばれる静岡の「サウナしきじ」だ。
海外留学などを経て、若いころにはファッション雑誌のモデルとしても活躍していた笹野さん。現在、サウナしきじの広報も兼ねながら、日本各地のサウナのプロデュースも手掛けている。

たとえば、京都の「moksa」、北海道の「あかん遊久の里 鶴雅」、島根県の「IZUMO HOTEL THE CLIFF」……そのいずれもが個性的で、見た瞬間にサウナーの心をつかむ、魅力的に溢れている。

3回に分けて掲載するインタビュー第2回目は、笹野さんがサウナを仕事にしたきっかけやどんなサウナを造りたいかなどについて語ってもらった。

モデルとして活躍していた笹野さんは、自ら「サウナしきじ」の広報のお仕事をスタートさせる。一体、どんなきっかけでそのような活動を始めたのだろうか? また、それまでサウナ関連の仕事はしていたのだろうか?  

ないです。まったくしていないですね。たまたま濡れ頭巾さんと知り合ったときに、

『しきじの娘さんなの? だったら、雑誌の『美的』やメディアに売り込んで、女性が来るようにPRしたほうかいいよ』とアドバイスされていたんです。

私、雑誌が好きなんですよ。PR活動を通じて、雑誌の制作に関われたらいいなあと思っていまして、それもモチベーションのひとつでしたね。

当時は結構、ガラガラで、女湯は、お客さんがふたりなんてこともありました。こんなに少ないと、仕事する方も気持ちが萎えてしまい、女湯をつぶそうか、なんて話も出ていました。

男湯のほうも、女湯ほどではないにしても、空いていましたね。メディアに取り上げられるようになっても5年くらいは、お客様が増えているという体感的な変化は感じませんでした

2019年8月、ドラマ『サ道』で「サウナしきじ」が取り上げれ、これに出演。変化を感じたという。

大きく変化を感じたのは、『サ道』と(YouTuberの)はじめしゃちょーが、取り上げてくれたときですね。大勢の若いコたちがしきじに訪れて、一気に波が来た感じでした

その後、サウナのプロデュースもスタートさせる笹野さん。

欲が出てきたんです(笑)。テントサウナなどは、いくつかすでにプロデュースや企画はしていたんですけどね。ちょうどスタッフが集まり、私の夢の実現のために動いてくれて、第1号となる京都の『MOKSA』をプロデュースさせてもらえることになりました

京都にある旅館「moksa」のサウナが笹野美紀恵プロデュース第1号サウナ

その後は、話がとんとん拍子に決まり、現在は、日々、日本のあちこちを飛び回り、笹野印のサウナを造り続けている。では、完成させたサウナに笹野さんはどのくらい満足できたのだろうか?

『moksa』 は究極的に贅沢に造らせてもらいました。とても満足していますが、欲も出ますね。さらに進化させたいです。施設ってずっと同じじゃない方がいいと思うんです。お客さんも飽きちゃうじゃないですか。そこは追及していきたいですね

では笹野さんの考えるいいサウナとは?

湿度があって、五感が感じられるサウナです。デザインもさることながら、調光のライトの色や強さだったり、動線だったり、香りとか、その香りもニセモノの化学成分ではなくて、オーガニックだったり、薬草だったり本当に体にいいものがあるのがいいサウナだと思います

今後はどんなサウナを造っていきたいのだろうか?

今、『オプティマムヘルス』という言葉が、医学界で言われています。人それぞれ体型が違うように、血圧の血流、皮膚の厚み、性別、皮膚の毛穴も細胞も違う――ならば、同じサウナの入り方をする必要がないと思うんです。

いま、提案されているのはあくまで目安にすぎません。将来は個人個人が自分に合った入り方ができるサウナを造ってみたいですね。

ほかには温泉熱を使ったサウナを導入してみたいですね。温泉とサウナを合わせた「温泉サウナ」みたいなものがあってもいいと思うんです。そうしたら、サウナが苦手な人も温泉なら納得してくれるだろうし、温泉の成分が皮膚に入って、健康にいいですしね。

あるものとあるものを変化させ、時代にはめることができ、また悩んでいる人に訴求できるサウナ――社会的にいいサウナを造りたいと思っています

温泉とサウナを合わせたハイブリッド・サウナを将来的に造りたいと笹野さん。写真/pixta

次回に続く


ささの みきえ

株式会社ONEBLOW代表取締役
エグゼクティブディレクター
エグゼクティブコンサルタント
静岡県出身

サウナファンの間では、実家が、サウナの聖地として名高い静岡の「サウナしきじ」としても知られる。アメリカ合衆国・ボストンの高校、大学に単身留学。日本へ帰国後、モデル活動を開始。

2008年のミスインターナショナルファイナリストとして美の親善大使に就任。TV、ラジオなどで活躍後、明治大学大学院でMBA取得。株式会社ONEBLOWを起業。自社製品の海外出展・大手飲食店、マーケティング、プロモーション企画など幅広いジャンルのトレンドクラフター、ビューティーアドバイザーとして活動。

ブランディング・マーケティング、サウナプロデュースなどにも携わっている。現在、静岡初のサウナ番組『サ活のサ』に出演、また『翼の王国』(ANA)、『美的web』「美容サウナ」で連載を持つ