東京VS群馬のアウフグースセッション!
Koenji × Gunma SAUNA Connection
高円寺北口から北に向かって歩いて商店街を抜け、早稲田通りの近く。昨年オープンした「サウナリウム高円寺」で、アウフグースのイベントが行われると聞いて訪れた。
タイムテーブル制で5人のプロのアウフグースが受けられるイベントで、今回は男女問わず参加できる。さっそく水着を着用し、サウナ室近くで待機。
開始時間が近づくにつれて少しずつ客が集まり始めるが、思ったより女性が多くて少し驚いた。いつも行くサウナはまわりがおじさんばかりで慣れていないため、天井の隅などを見て静かに始まるのを待つ。
アウフグースは熱々、でも雰囲気は和やか
少し経って最初の熱波師、にんにんさんが登場。続いてその次にアウフグースをする予定だったテッド中村氏も現れ、突如2人のコラボとなり、ついにスタート。
熱波師の2人の口上に笑い声が上がり、なんともアットホームな雰囲気が心地いい。流れる汗を拭うように撒き散らすおっさんを横目で見て、ととのうどころか心を乱されたあの日のサウナが別世界のようだ。
2人のタオル捌きも鮮やか。アウフグースイベントは未経験だったのだが、最近の熱波師はこんなにエンターテイナーなのか、と驚いてしまった。
にんにんさんはチャイナ、テッド中村氏はハワイアンという個性を打ち出しており、流すBGMやロウリュに使用するアロマを使い分けるなど、自己プロデュースも徹底している。
そんなところも含めて楽しんでいるうちに、いつもより大量の汗をかいていた。
屋上のととのい空間でテントサウナを堪能
シャワーで汗を流して水風呂に入ったのち、ポンチョを着て屋上へ向かう。
通常はリクライニングチェアが置かれたスペースのはずだが、今回は群馬のテントサウナプロデュースCrew「Go Out Sauna Maestro」のテントサウナが設置されていた。
ユニークな形状が見逃せず、こちらのテントサウナを体験させてもらう。
思ったより広く、テント特有の閉塞感はない。今はいろいろな形状のテントがあるんだな。じんわりと温まってくるのは、スチームサウナの特徴か。
あまりに気持ちよく、いつまでも入れそうだったが、次のアウフグースの時間が近づいていたため、ほどよく汗をかいたところで再び室内へ移動。
個性豊かなアウフグース3連発!
次の熱波師は群馬「毎日サウナ」のねっぱやし氏。口上も軽やかで、ところどころで笑いが起こり、なごやかな雰囲気は変わらず。今回のイベントはいいなあ!
BGMに合わせてサウナ室に入ってくる演出に加え、スピード感のあるLiSAの楽曲を選ぶなど、アニソン好きにはたまらない。こちらも特徴があって楽しかった。
屋上で適度にととのい、次の熱波師の時間を待っていると、ここにきて客が増えてきていることに気づき、急いで室内へ。
次の熱波師も群馬「毎日サウナ」のみっけん氏。
衣装が特徴的だと思っていたら、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のコスプレで、「サウナ室がタイムマシンで、ロウリュすることでタイムスリップできる」という設定がとてもユニーク。
サウナ室はほぼ満員に近く、相変わらずのアットホームな雰囲気だったが、人が増えた分、笑い声や歓声も一番だった印象。
こんなこともできるんだなあ、と改めてアウフグースのエンタメとしての伸びしろが感じられた。
そろそろ限界を感じ、次のアウフグースをラストにする。
ラストは映画コメンテーターの有村昆氏。サウナーとは聞いていたが、熱波師検定まで取得していたことを口上で知った。
得意な映画を生かしたアウフグースをすると聞いていたが、今回は「アニメ」。
他の熱波師と違ったのは小道具の多さ。自身が使う麦わら帽子(ワンピース)からメガネ(名探偵コナン)から、客に持たせる水鉄砲まで、「全員で楽しむ」というサービス精神が溢れていた。
全員で合わせて声を上げたり、『進撃の巨人』のテーマとともに、サウナストーブに一斉に水鉄砲を打たせてエンタメ感を出すなど、「一体感」という点では一番だった。
十分にととのったのち、カフェで人気というキーマカレーを食し(美味かった!)、しばしまったりする。
これまで混んでいるサウナが苦手で、サウナ室でもアウフグースはなるべく避け、静かに蒸されるのが好きだったが、今回のイベントはそんな自分でもかなり楽しめた。
ひょっとすると意外と好きかもしれない。また機会があれば行ってみてもいいかもと思いつつ、高円寺を後にした。
取材・文/大槻和洋