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海を臨む館山の名店「Sea Sauna Shack」

Sea Sauna Shack

海を臨む館山の名店
「Sea Sauna Shack」でととのう!!

予約の取れない名店に行けるチャンスが到来。

11月のある日、以前、サウナで知り合いになったKさんからLINEに連絡があった。
「『Sea Sauna Shack』に行くのですが、一緒にどうですか?」

「Sea Sauna Shack」

千葉県の南部、X JAPANのYOSHIKIとTOSHIの地元で知られる館山にある貸し切り専用のサウナ。

2021年には日本各地のサウナを巡る様々な業界の「プロサウナー」たちが選出するその年のベスト11施設「SAUNACHELIN(サウナシュラン)」にノミネートされるほどその評価は高い。

東京からさして遠くはない南房総ではあったが、かといって気軽に行ける距離でもなく、いつかは……と思っていた矢先のお誘い。予約の取れないとも言われているので、このチャンスの逃す手はない。参加させてもらうことにした。

当日の朝9時半、東京・日本橋の編集部を出発。Kさんのグループとは、現地集合することにしていた。車で首都高~アクアラインを通って千葉県へ。平日の午前中ということもあり、ほとんど渋滞に巻き込まれることなく南房総までくることができた。

山を抜けると海が見えてくる。都内にはない自然豊かな風景は旅気分を高めてくれる。海岸線を走ると今度は富士山が見えてきた。空気がきれいだからか、直線距離が近いのか、都内で見るより大きく見えるのは気のせいだろうか。

写真/PIXTA

コンビニで寄り道をしつつ、車を走らせることおよそ2時間、目的地「Sea Sauna Shack」に到着した。Kさんたちはまだ来ていないようだ。

異国情緒を感じさせる
「Sea Sauna Shack」

「Sea Sauna Shack」の外観は、木造建築風で臙脂色の瓦屋根、玄関の大きな木の扉はランセット・アーチ型で、異国情緒を感じさせる。

中に入るとイケメンの店長が出迎えてくれる。
最近、地方から脱サラでここにやってきて、就職。
なんでもまだ20代だとか!

建物の中は、まるで南の島にありそうな木がむき出しになった壁、天井にはシーリングファン、エイジドされた扉など、ハワイ好きならきっと気に入る内装だ。

アメリカンテイストの「Sea Sauna Shack」のオリジナルイラストが描かれたTシャツやスウェット、バッグ、ハット、バスタオルなどが売れている。

「グッズはとても人気があります。皆さん、買っていきますね」
と店長。たしかにこれはいい! 欲しい! 

そうこうしているとKさん一行が到着。

実は今回、DTT所属のプロレスラーにして「Sea Sauna Shack」総支配人である勝俣瞬馬氏や同じくDTT所属の岡田佑介選手、ダンサーの女性らも参加、我々を含め、全部で9人での貸切となる。

店長が見せてくれたアロマ水は5種類ほどあり、ひとつひとつ香りをかぎながら吟味、代表して私が選ばせてもらった。サッパリしたミント系をチョイス。うん、いい香りだ。

ユニークな形に石が積まれた
巨大なサウナストーブが鎮座

早速、水着に着替えて、いよいよサウナ室へ。

私は2段目を選んだ。
サウナ室の定員12名ほどで、多少ゆとりをもって座れた。

ユニークな形に石が積まれたサウナストーブは、通常のものをサウナ仕様改造されたオリジナルで、なかなかの大きさだ。しかも天井が比較的低いので、あっという間に部屋が温まりそうだ。

1セット目は、ロウリュをせずにじわじわ体を蒸す。
程良い湿度と温度で快適だ。

窓に目を向けると館山の青い海と空が見える。

「条件がととのえば、サウナ室から富士山が見えるんですよ」
と勝俣氏。なんともめでたいサウナではないか!

しばらくすると、「お先に!」とひとり、またひとり、部屋を出ていく。
額から汗がとめどなく流れる。私もそろそろ限界のようだ。

サウナ室を出て、外にあるお待ちかねの水風呂へ。
手桶で風呂の水をすくい、頭からかけて汗を流したあとはバスタブにダイブ。

水温は17℃ほどであろうか、ほどよい冷たさだ。
地下水をくみ上げているらしく水が肌に心地よい。
いつまでも入っていたいくらいだ。

水風呂を上がり、そこから上がって行くと、館山の海が目の前に広がる絶景が眺めながら外気浴ができる展望台(?)スペースがある。

そこにゴロンと寝転がって、目をつぶれば、なんとも心地よい海風を肌に感じる。そして訪れるととのい……。

極楽である。

勝俣氏によるアウフグースで蒸される

2セット目では、勝俣氏がアウフグースを披露してくれた。

先ほど私が選んだアロマ水をロウリュに使う。石が積まれた上部からアロマ水をラドルでかけ、タオルを器用に振り回しながら熱波を部屋全体に送る勝俣氏。

サウナ室がミントの香りで満たされる。

十分蒸されたらところで、再び水風呂へ。

このセットでは、勝俣氏に支えてもらいながら、水面に仰向けになってのクールダウン。

味わったことのない浮遊感な心地よく、目をつぶると、どこか別世界にトリップしたようだった。

その日、計4セットを楽しむことができたのだが、「Sea Sauna Shack」さすが、「SAUNASHURAN」の名に恥じない、ぜひまた訪れたいと思わせる素晴らしい施設だった。

〆のサ飯は海の町ならではの寿司をいただき、私たちは館山を後にした――。

取材・文・写真/藤本 晃一(編集部)

【HP】http://sea-sauna-shack.com/