美とアートと大自然の融合
眺望に癒され名水に抱かれ
極上のサウナ体験を味わう
7月中旬、私は富山県の魚津にいた。
魚津の人気ホテル「ホテルグランミラージュ」に新しいサウナ「スパ・バルナージュ」が誕生するということで、取材に来たのである。
ただのサウナではない。
“サウナの聖地「しきじ」の娘”でおなじみの笹野美紀恵さんがプロデュースしているのだ。
笹野さんといえば、これまで数多くの温浴施設を監修してきた名サウナプロデューサー。
そんな彼女が手がけた「スパ・バルナージュ」のコンセプトは“令和の銭湯”。
こだわりの空間「絶景サウナ&瞑想サウナ」
ここだけの眺望「インフィニティ露天風呂」
そして、現代美術「浴室アートワーク」
その全てが融合した、新感覚のスパだという。
しかも今回は美容機器のトップブランド「ReFa」とコラボ。
ReFaのテクノロジーを味方にしながらサウナのデメリットを減らし、メリットを増やす入浴法を開発したとのこと。
「心も体も美しくととのう」と聞いて、同行する女性スタッフの目がキラッキラに輝きまくり。
僕の期待も高まるばかりだ。
ほどなくして、我々を乗せた車がホテル・グランミラージュに到着。
まず目に飛び込んできたのは、数々のアート作品。村上隆や草間彌生といった世界的に有名なアーティストの作品が展示されている。
ロビーの中央。
ひときわ目立つ場所で存在感を発揮しているのが、きらきらと輝くロングブーツ。
ヒールレスシューズと言われ、あのレディ・ガガが愛用していることでも知られている。
このヒールレスシューズの作者として注目を集め、今や世界的に活躍するアーティストこそが、スパ・バルナージュの浴室アートワークを手がけている舘鼻則孝さんなのである。
良質なアートを浴び、おいしいビュッフェランチをいただき、いよいよサウナへ。
施設は立山連峰の雄大な景色が堪能できる「YAMA SIDE」と、富山湾の絶景を一望できる「UMI SIDE」に分かれている。
通常は、日帰り入浴は「YAMA SIDE」女湯、「UMI SIDE」男湯で、宿泊者の場合は時間帯で男湯と女湯が切り替わるというシステム。
今回は取材ということで特別に「YAMA SIDE」「UMI SIDE」両方に入れることになった。
ありがとうございます!
山と海のパノラマを楽しめる最高のロケーションは、まさしく言葉を失うほどの美しさ。
笹野さんも初めてこのホテルを訪れた際には「山と海を同時に見られるなんてない!」と、とても感動したとか。
さらに目を奪われるのが、舘鼻さんが手がけたタイルアート。
立山連峰や稲妻をモチーフにした鮮烈な色彩とエネルギッシュなデザインでありながら、タイルの風合いにノスタルジーを感じずにはいられない、まさに“令和の銭湯”にふさわしい壁画だ。
ほどなくして笹野さんが考案した「ReFa式サウナの入り方」をレクチャーしてくれるというので、シャワーブースへ移動する。
笹野さんはReFaのシャワーヘッド「ReFa FINE BUBBLE U」を手に取ると、モードを切り替えながら全身の汚れを落とす。
その後、湯舟にゆったりとつかる。
体を温めて毛穴を開き、サウナに入った際の発汗効果を高めるのが狙いなのだとか。
しっかり毛穴が開いたところで、お待ちかねのサウナ室へ。
サウナは絶景サウナ(約90℃)と瞑想サウナ(約80℃)の2種類ある。
まずは絶景サウナをチョイスする。
サウナに入る時間は6~12分程度としているが、時間を気にせず自分のタイミングで出てもOKとのこと。
入っているときの姿勢はあぐらをかいて背筋を伸ばし、深呼吸をするのが笹野スタイル。
3秒で鼻から吸い、6秒かけて口から吐く。
これを続けることで息苦しさが消えて、自律神経が整うという。
たっぷりと汗をかいたら水風呂タイム。
推奨時間は15~30秒程度だが、このときも無理をしないこと。
どうしても水風呂が苦手なら、ReFaのシャワーで冷たいミストを浴びたり、冷水を頭頂部に当ててリフレッシュするのもOK。
体を冷ました後は椅子に座って6~10分ほどリラックスタイム。
ここまでを3セット繰り返し、最後にぬるめのシャワーを浴びて仕上げというのが一連の流れとなっている。
実際、言われたとおりにやると、汗が出るわ出るわ。
同行した女性スタッフはもちろん、他のメディアの皆さんも汗だく状態だ。
かくいう僕も汗がドバドバ。
絶景サウナから見える景色に魅了されてしまって、いつもより長くサウナにいたからだ。
窓から眺める山の景色。ゆっくりと雲が流れ、ごくわずかながら陽が傾いていく。
眼下に広がる富山湾。耳には届いていないはずの波音がかすかに聞こえてくるようだ。
自然の移ろいを味わううちに、ついつい時間が経ってしまったのである。
茹でダコ寸前になったところでサウナを出て、水風呂へ。
水風呂は2種類あり、ひとつは約16~17℃設定。
浅めで寝ころびながら入れるよう設計されていて、水風呂につかりながら絶景を楽しめる作りになっている。
もうひとつが他ではなかなか体験できない、30~37℃設定。
熱くも冷たくも感じない「不感温度水風呂」で、冷たいのが苦手な初心者でも気楽に楽しめる。
実際、水風呂があまり得意ではないスタッフも「これならずっと入っていたい」とかなり気に入った様子だった。
水風呂はもちろんだが、水そのものも最高だった。
水風呂につかっていると体を包み込んでくるというか、まとわりついてくるというか。
深さのある不感温度水風呂で顕著なのだが、しっかりと質量が感じられて、それがなんとも心地よい。
水風呂はすべて北アルプス立山の伏流水を100%使用しており、そのまま飲めるほどの清らかさ。
名水で知られる「しきじ」の娘である笹野さんをして「大当たり」と太鼓判を押すほどの水質を誇っている。
全国の水風呂好きサウナーさんたちには、ぜひぜひ一度味わってほしいものである。
その後、瞑想サウナで己と向き合い、身も心もととのいまくったら、笹野さんによるReFaのドライヤーを使った髪の乾かし方のレクチャー。
女性スタッフは「笹野さんの言うとおりにしたら、髪がすっごくツヤツヤになってます!」と大喜びだった。
髪も肌もツヤツヤの大満足で、すっかり腹ペコ。
そんな体に夕食の薬膳しゃぶしゃぶが沁みるのなんの。
スープがあまりにも美味すぎて、気づけば完飲総まくりしてしまっていたのだった。
宿泊する部屋は、「泊まるだけで美しさ磨く」がコンセプトのReFaルーム。
ReFaのドライヤー、シャンプー、トリートメントが設置されており、これも女性陣たちに大好評であった。
上質なアートにサウナ、そしてReFaのアイテム。
心から完全にリフレッシュした1日もこれにて終了。
完全にととのいきった僕は、まさか翌日、衝撃的なサウナに出会うことになるとも知らず、爆睡したのであった。
※後編へ続く。
取材・文/Saunassa編集部
撮影/加藤光、編集部
ホテルグランミラージュ
『スパ・バルナージュ』
【住所】〒937-0041 富山県魚津市吉島1-1-20
ホテルグランミラージュ9F
【電話】0765-24-4411
【定休日】年中無休
【問い合わせ】info@granmirage.jp
※ 施設メンテナンスの場合には休み。
その際には、ホームページやInstagram、X(旧ツイッター)にて案内。