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王道サウナ「Spa LaQua」は愛でととのう

Spa LaQua

4つのサウナと2つの水風呂
遊園地の青春の声をBGMに
心ゆくまでととのう

先日、私は初めて東京ドームシティの「Spa LaQua」(以下・ラクーア)を訪れた。

サウナメディアの人間としては、この人気施設に行っていなかったことはお恥ずかしい限りだが、王道中の王道であるがゆえに、行く機会を失ってしまっていたのである。

加えて、非常に個人的な理由でラクーアには行かなければならないと思っていたので、今回の来訪で小さな夢が叶う形となった。

「個人的な理由」については、後ほど述べるとしよう。

レトロ感のあるテレビ付きサウナから
ハードな高温を楽しめるサウナも!

ラクーアへと上がるエレベーターの前で待っていると、平日の夕方前にもかかわらず、次から次とお客さんがやってくる。

その多くが女性で、かなり慣れた様子。

温浴施設で女性の常連がたくさんいるということは、かなり満足度が高いということなのだろう。期待は増すばかりだ。

女性専用サウナの「ミストサウナ テルマーレ」。45℃の低温サウナで、さながら美術品の中にいるような雰囲気を味わえる。

フロントで受付を済ませて、浴室へ。

頭と体を洗ってサッパリしたら、さあ、お楽しみのサウナタイムだ。

ラクーアにあるサウナは4つ。順番に味わっていこう。

最初は「中高温サウナ ヴェレ」

室温は80℃とのことだが密閉度が高いので、体感温度はもう少し高く感じられる。

サ室内のテレビでは、大谷翔平選手の記念ボールが超高額で落札されたというニュースを流している。

「やっぱり金持ちはいるんだな」なんて話しているおじさんの声に、たまらなく癒される。

これこれ、こういうサウナもイイものなんだよ。

しばし後、全身が火照ってきたので水風呂へ。

水風呂は2つ。

広めの22℃と、17℃のバイブラタイプだ。

同行した取材班の一人は「先に22℃に入って、その後バイブラに入ると一生入っていられる」とご満悦だった。

しっかり体をクールダウンさせたら、外気浴スペースへ。

露天風呂の脇で椅子に座り、だらりと全身の力を抜く。

全身が脈打つ感覚を楽しんでいると、すぐ隣にある遊園地からジェットコースターが爆走する音ともに、女の子たちの楽しそうな悲鳴が聞こえてくる。

青春という名のBGMに、僕の頬はゆるむ。

だが、若者たちよ、青春を楽しんでいるのは、君たちだけじゃないんだぜ?

心地よい脱力感に浸りながら、おじさんは胸の中で快哉を叫ぶ。僕だけでなく、きっと他のおじさんたちも。

2つめのサウナは「中高温サウナ ヴィルデンシュタイン」

こちらも80℃設定で、毎日決まった時間にアウフグースサービスがおこなわれている。

3つめは「高温サウナ オールドログ」

室温は100℃のストロングスタイルだ。

ジンジンに熱して、キンキンに冷やす。

落差のあるプレースタイルを楽しみたい人にオススメしたい。

4つめは「フィンランドサウナ コメア」

室温は約70℃とのことだが、自分たちでロウリュを楽しめるので、好みの熱気に仕上げることも可能。

ロウリュをするときは他のお客さんに一言断りを入れてくれる優しいサウナーばかりで、実に心地よい爆汗を流すことができた。

スタッフさんの愛の深さが
心と体の満足度を高める!

この東京のど真ん中で天然温泉を楽しめるというので、今日は趣向を変えてお風呂で締めることに。

地下1700メートルから汲み上げた混じりっけなしの天然温泉。

海のミネラルが豊富とのことで、唇に触れると少し塩味を感じる。

秋の風を感じながら、ゆったりと温泉を楽しみ、この日の温浴を終えたのであった。

サウナはもちろんだけど、お風呂も実に気持ちいい。写真はマッサージされているようで体が喜ぶバブルピット風呂

着替えてから、ロビーで休んでいるときに、僕は思い出していた。

2011年3月11日

その日、家で原稿を書いていると、強烈な揺れに襲われた。

本棚にあった700冊ほどの本はすべて落ち、家具は倒れてドアを塞いだ。

しばらく部屋から出られなくなった。

この日、出かけていた妻の携帯を急いで鳴らす。繋がらない。何度かけても繋がらない。

夜になりようやく妻と電話が繋がり、彼女がラクーアに避難していることを知った。

東日本大震災の日、東京の道路は徒歩で帰宅しようとする人で溢れかえった。※写真はイメージ/PIXTA

妻によると、ラクーアに避難した人は他にもたくさんいて、ロビーは大勢の人であふれたという。

ラクーアのスタッフさんたちは自分もこの非常時で怖いだろうに、避難者たちを迎え入れ、優しく声をかけ、世話をしてくれていたそうだ。

妻はお風呂に入って体を温めたことで、不安はだいぶ薄らいで、リラックスできたとか。

きっと、他の人たちもサウナやお風呂のおかげで気持ちと体が落ち着いたことだろう。

僕はラクーアに感謝しかない。

妻を助けてもらったし、素敵なサウナも提供してくれている。

フロントに、一人の上品なマダムがやってきた。

「●●様、本日もお待ちしておりました」

常連とおぼしきマダムの名前を呼び、丁寧に迎え入れるスタッフさん。

ここには、サウナ愛がある。

本物のサウナと、本物の愛だ。

※アウフグースサービスは男性サウナのみで行っております

東京ドーム天然温泉
「Spa LaQua」

【住所】東京都文京区春日1-1-1
 LaQua5〜9F(フロント6F)
【営業時間】11:00〜翌朝9:00
 ※浴室のご利用 翌朝8:30(露天風呂翌朝7:30)まで
 ※最終入館 翌朝8:00
【料金】料金は日にちによって異なる。
詳しくはコチラ
 ※入館料は、タオルセット(バスタオル・フェイスタオル各1枚)、館内着のレンタル料込み。

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