船の上でととのう!
一度は行きたいクルーズ・サウナの旅
豪華客船に乗ってあちこちを旅する「クルーズ」。
近年、新しい旅の形として注目を集めているのだが、サウナを備えた客船が横浜から就航しているという。
一体どんなものなのか? レポートする。

2月19日、横浜港
雲が高い冬らしい空の下、大さん橋国際客船ターミナルには白い大きなクルーズ船が停泊している。
横浜港の歴史は166年前に遡る。
もともと小さな漁村であった横浜。
1853年に浦賀沖にアメリカ海軍のペリー提督が率いる軍艦が現れたことによりその状況は一変。
アメリカから開国を迫られた江戸幕府は日米和親条約を結ばされることとなり、その6年後の1859年、横浜港が開港する。
以来、横浜は貿易や文明開花の窓口として著しい発展を遂げ、1894年には大さん橋の原型となる鉄桟橋を竣工。
1895年には「グレナグル」というイギリス船を入港させている。

雲が高い冬らしい空の下、そんな大さん橋国際客船ターミナルに停泊していたのが、白い大きなクルーズ船、バイキング社の「バイキング・エデン」だ。
バイキング社は、精巧な時計づくりで知られるスイス・バーゼルに本社を構えるクルーズ会社。
ライン川やドナウ川をはじめとするヨーロッパの美しい水路を巡るリバークルーズを中心に、北欧から南極まで、世界中の魅力的な寄港地で特別な体験を提供している。
洗練された旅のスタイルと目的地への深いこだわりが評価され、バイキングは世界最大級のクルーズ会社のひとつとして、旅慣れたお客様からも高い支持を得ているのだ。
そんな同社が、昨年、2024年の秋より日本人仕様の初のオールインクルーシブ客船として日本発着クルーズを就航させた。
それがこのバイキング・エデンだ。全長227メートル、幅29メートル、客室数は465室。

クルーズ船は、大きさ、料金、客室数などから大きく分けてカジュアルクラス、プレミアムクラス、ラグジュアリークラスという3つのランク分けがされている。
カジュアルクラスは、より船が大型で収容人数も多く、エンターテインメント施設が充実したものが多く、料金も安めでファミリー層が主なターゲットとなっている。
かたや、ラグジュアリークラスは小型〜中型船ならではの落ち着いた空間と、少人数制による行き届いたサービスが特長。
エンターテインメント性よりも、食事のクオリティやゆとりある時間を重視し、船内では追加費用のかからないオールインクルーシブ制度を導入する船も多い。
このバイキング・エデンはラグジュアリークラスに該当し、乗船は18歳以上の客に限定された、大人のためのクルーズ船なのだ。

中に入るとまるで高級ホテルのロビーのような絨毯が敷き詰められた吹き抜けのエリアが現れる。
左右にはカフェあり、落ち着いた雰囲気。
初めて見た人はきっとその豪華さに驚くとともにこれから始まる船旅に興奮を抑えられないだろう。

さらに奥へ案内されるとお目当てのサウナエリアがあった。

サウナエリアは、男女共有となるスペースと個別に分かれている。
共有スペースの中心には縦横7メートルほどのバイブラを効かせたプールがあり、さらにその周りには横になったら気持ちよくととのえそうな高級感のあるリクライニングシートが8つほどある。
仕事柄高級会員制サウナなども見てきたが、これまで大きな高級感溢れるととのいスペースは見たことがない。


さらにその先、左側にはいわゆる“ペンギンルーム”が。
入口のドアを開けると冷気があふれ出してくる。
照明で青く照らされた室内には雪が解けずにあるほど冷えていた。

反対側はミストサウナ。
こちらも入口のドアを開けると湯気が一気にあふれ出す。
部屋上部に溜まった湯気で先が見えないほどだ。
体感温度はそれほど高くなさそうだが、高温が苦手な人でも安心して入れそうだ。

続いて向かったのは男女別スペース。
レイアウトがシンメトリーになっており設備はまったく同じだ。
縦長のととのいスペース、パウダールームを抜けるとサウナと水風呂が現れる。


サウナはフィンランド式で、2段ベンチで収容人数は8人ほどだろうか。
手前にはストーンの積まれたストーブ、バケツ、木製ラドルがあり、ロウリュができる。
壁には味のある色をした野性味を感じさせる松(パイン)材が使われており、森の中の小屋にいるような感覚を与えてくれそうだ。

水風呂は2~3人は入れそうな広さ。
なにより、そこに水風呂があるというだけで嬉しいではないか!

「バイキング・エデン」のサウナはここだけではない。
さらに最上級客室であるオーナーズ・スイートにはサウナを完備する部屋もあるのだ。

サウナはベランダ側に設置されていて、航海中に入れば、海を眺めながら蒸されることができる。
そしてベランダがととのいスペースとなり、海風にあたりながら外気浴ができるという贅沢さ!




豪華客船の船内は、長旅でも快適に過ごせるようにホテルのような立派な造り。
今後、ますます注目を集めるクルーズ旅。サウナのあるクルーズ船もあるので、サウナーなら注目したい。
サウナーなら一度は体験してみたいクルーズ・サウナ。
かつて経験したことのない‟ととのい”が得られるはずだ。
ドライサウナ / 70~80℃
スチームルーム / 46℃
水風呂 / 12℃
サーマルプール / 36℃
ジャグジー / 40℃
取材・文/編集部
写真/VIKING CRUSE,PIXTA,KOICHI FUJIMOTO

バイキング・エデン 日本発着クルーズ
【乗下船港】横浜・神戸など
【スケジュール】
2025年4月、5月、11月、12月出発
2026年1月〜5月出発
【料金】277,000円〜(ツイン利用お一人様)
【バイキング・クルーズ】
https://www.vikingcruisesjapan.com/ja/