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万博サウナ「太陽のつぼみ」がスゴかった!

太陽のつぼみ

万人受けでありながら
ガチ勢も満足させる
未来のサウナがここにある!

太陽のつぼみ

サウナ愛好家も満足できる施設なのか!?

3月7日に開催された大阪万博のサウナ「太陽のつぼみ」の記者会見。

その最前列に、われわれサウナッサ取材班はいた。

「木を一切使わないサウナです」

「熱に強い特殊な膜でできています」

「音と光の特別な体験です」

「これまでになかったサウナリチュアルを提供します」

「太陽のつぼみ」を作り上げたクリエイターたちの説明に、私はとても興奮していた。

しかし、正直なところ、2つの不安があった。

1つめは、予約が取れるのかという不安。

記者会見のときから予約が殺到しそうだとは聞いていたが、実際、夜の部はかなりチケットが取りづらい状況だ。

2つめは、サウナの満足度についてだ。

このサウナを手がけたのは、TTNEのサウナ師匠こと秋山大輔さん。

数々の人気店を手がけた名プロデューサーの腕前を疑問視しているのではない。

万博という多くの人を迎え入れるイベントで、ガチ勢が満足できる熱さを提供してくれるのかという不安だ。

万人受けするように、かなりマイルドな設定になるかもしれない。

そして、それもまた無理からぬ話であろう。

とはいえ、秋山さんがサウナ愛好者の気持ちをないがしろにするはずもないし……

なんて考えていたある日、予約を取ることに成功!

Saunassa取材班は待望の万博サウナ「太陽のつぼみ」を体験できることになったのである!

夢洲駅の通路から、万博気分を盛り上げてくれる

万博は思った以上の混雑ぶり!

4月中旬の某日。平日だというのに、万博はかなり混みあっていた。

「連日ガラガラだ」と伝えるSNSやメディアがあったので、まるで人のいない状況を想像していたのだが、さにあらず。

多くのパビリオンに行列ができている。

評判の高いアメリカ館とイタリア館を見たいと考えていたわれわれであったが、そちらは長蛇の列。

しかも「本日分は予約も含めてすべて終わりました」というではないか。

結局、われわれが訪れたパビリオンは数カ所ほど。

名誉のため国名は伏せるが、どれもガラガラだった所だけだ。

皆さんが万博へ行く際には、お目当てのパビリオンはぜひ予約していってもらいたい。

当日でも入れる可能性もあるかもしれないが、かなり待つことになるのは確実だろう。

この日は平日の昼過ぎであったが、万博会場には多くの人がいた。

ガチ勢も満足のハイレベルサウナだった!

サウナがある場所は道路をはさんで、すぐ海がある。夜は本当に気持ちがいい。

夕方になり、太陽のつぼみへと向かう。

場所は西ゲートから歩いて5分程度。

夢洲駅のある東ゲートからは歩いて20分以上はゆうにかかるので、時間に余裕をもって行くことをおすすめしたい。

サウナは万博会場のはじっこにある。

眼前には大阪湾が広がる、イカしたロケーションだ。

かすかに聞こえてきそうな波音。

遠くに見える船の光。

夕焼けのグラデーションに染まる空。

この美しい景色を私はたまらなく好きになったし、明るいうちの真っ青な空もきっと気に入るだろう。

受付を済ませて、持参した水着に着替える。

中に入ると、記者会見で見たあの三角錐のような形のサウナがお目見え。

こちらがサウナ内。真っ白で清潔感があり、なんだか別世界のような気がしてワクワクする。

それにしても、高い建物だ。

これだけ天井が高くても、熱が逃げてしまわないのだろうか……。

などと思っていたが、心配は杞憂に終わった。

この天井の高さも、そして膜を組み合わせて作られたサウナであることも、木材をまったく使っていないことも。

それら全てが、環境や社会問題を考慮しての制限でもなければ、ましてや足かせでもない。

この日、この瞬間のための「必然」だと思えるほど、ハイレベルなサウナだった。

サウナの天井にはファンがついており、室内の空気を循環させて熱気を逃さない。

また、ヒダ状になっている膜が熱気をキャッチすることによって、心地良い温度をキープしている。

室温は70〜80℃くらいとのことだが、ロウリュのおかげで湿度が高く、体感的にはかなり熱い。

それでいて、天井が高いおかげもあって息苦しさがない。

初心者からガチ勢までが楽しめる構造になっているのは、さすがTTNEのサウナ師匠監修といったところだ。

ここではサウナをフランス料理のコースのように楽しむスタイルとなっている。

つまり、すべての行程が決まっていて、参加者たちはガイドの導きでそれらを順々に体験していくというものだ。

AI音声のナレーションを聞きながら心を開き、アロマ水のロウリュで気分は高揚。

音や光の演出が、官能的なまでの爽快感を与えてくれる。

ネタバレになるので演出の全貌を書くことは控えるが、かなりハッキリと“あまみ”が出たことはお伝えしておこう。

水風呂は頭まで浸かってOK! ブレインスリープに寝そべり、海風を感じながらじっくりとととのう

サウナも人生も、自分で体験してこそ

サウナに入っているときに、海風が強く吹いた瞬間があった。

膜がバタバタとなびくと、風の存在がとても身近に感じられる——実に心地良い。

これがどしゃ降りの雨でも、照りつける猛暑でも、きっと同じように心が和んだだろう。

万博サウナ「太陽のつぼみ」は、日本の技術とサウナ愛がたっぷり詰まった素晴らしいサウナだった。

秋山さんご自身に解説してもらう贅沢なひとときだった。

サウナの未来をぞんぶんに感じさせるものであり、同時に「いま」の自分と笑顔で向き合うことができた気がした。

今回の万博はSNSでも各種報道でも、ネガティブな情報が多く見られた。

それは個々の意見だから、肯定も否定もする気はない。

私はただ「好き」のつぼみを集めていきたい。

もっと「楽しい」の花を開かせたい。

良いサウナは時として、普段以上の感受性を与えてくれる。

ととのったおかげで若々しいエモさを取り戻したおじさんは、暮れる空を見上げながら、満足げに息を吐くのであった。

最後は記念撮影。秋山さん、最高でした! 帰り際、ボードにサインまでさせてもらって、実に感無量!

太陽のつぼみ

太陽のつぼみ

【公式サイト】
 https://www.taiyo-tsubomi.jp/
【料金】
 参加費無料・ドリンク付き
 ※水着は持参または購入
【予約】
 完全予約抽選制。
 詳しくは万博の公式サイトを参照のこと。
 https://www.expo2025.or.jp/

サウナ師匠(秋山大輔)/プロサウナー

イベントを軸としたブランディング会社を経営しながら、世界を舞台に活動するプロサウナー。
日本最大級のサウナイベントやアワード、革新的サウナ空間のプロデュースを手がけ、2025年大阪・関西万博では主催者催事 万博サウナ「太陽のつぼみ」の総合プロデューサーを務める。
世界No.1サウナブランド「Harvia」からグローバルアンバサダーに任命され、日本のサウナカルチャーを未来へと導くキーパーソンとして国内外で注目を集める。
日本発の感性と世界水準の視座を掛け合わせ、世界とつながる次世代サウナ文化を創出している。

https://ttne.jp