五感で楽しむアートのようなサウナで、
洗練されたひとときを
Löyly Helsinki
(フィンランド / ヘルシンキ)
サウナーの皆さん、こんにちは!
サウナライターのいしかわゆきです。
2カ月間にわたるヨーロッパ旅行のなかで巡ったサウナたちをご紹介していく本連載。
前回は、エストニア(タリン)のエラムススパをレポートしました。
そして、タリンからフェリーで揺られること2時間。
サウナーの聖地、フィンランドのヘルシンキに降り立ちました。
言わずもがな、世界一サウナが多いこのサウナ大国は、実は日本の銭湯文化とも似ている「公衆サウナ文化」があり、街中のあちらこちらに小さなサウナが点在しています。
自宅にサウナが併設されるに伴い、次第に廃れていった公衆サウナですが、どんどん個人化が進んでいくなかで、改めてコミュニティの重要性に着目したのがヘルシンキ市。
彼らが2016年にオープンさせた施設こそが、今回訪れた美しい曲線美が印象的な「Löyly Helsinki」(ロウリュ・ヘルシンキ)。おしゃれで近代的な公衆サウナブームに一役買ったサウナなんです!
まず、立地がおしゃれですよね。雄大なバルト海を望みながらのサウナ体験。
想像するだけでワクワクするぞ。
見えてきました! 何だこの不思議な形は!!!!
フィンランドを拠点とする気鋭の建築事務所「Avanto Architects」が手掛けているそうで、近代的なデザインが光ります。
受付を済ませたら、バスローブとタオル、鍵をもらって女性更衣室へ。時間帯でのチケット制なので、混み合うことなく楽しめるのもポイント高いです。事前にネットでチケットを購入してから行くとスムーズです。
Löyly Helsinkiで楽しめるサウナは、薪サウナ、スモークサウナ、予約制サウナの3つ。
しかし、なぜかわたしが行ったときは、スモークサウナが見当たらず、薪サウナと電気ストーブサウナしかなかったんですよ。どういうこと?(笑)
真偽は謎ですが、まずは薪サウナを堪能。
残念ながら人が多かったため、薪サウナ内の写真は撮れなかったのですが、大きな薪ストーブが設置されており、入り口から階段を昇っていくので、下段でもかなりアツアツなサウナが楽しめます。
サウナ室内は暗いのですが、木々の隙間から太陽が差し込んでいる様が美しく、何とも瞑想にぴったりなサウナ。
ストーブが大きいので、1度のロウリュだけでもガッツリ温度が上がりますが、ロウリュをするためには重たい鉄の蓋をこじ開けないといけないので、皆さんあえてロウリュをせず、お喋りをしながらじっくりと蒸されていました。
続いて、右手奥に見えるプレハブのような建物が、全面ガラス張りになっていて、海を眺めながらととのえる、電気ストーブのコンパクトなサウナ。
……なんですけど、ほかの方のLöyly Helsinkiサウナレポートを読んでも、このプレハブに触れている人も、写っている写真も一切見当たらないんですよね……。もしかして期間限定サウナだったのか?(笑)
サウナのなかからは、現地の人がモーターボートに乗っている様子をぼぅっと眺めていました。
ここのサウナの何がいいって、サウナから出たらすぐに、バルト海に飛び込めるってこと。
ちょっと藻が多めの海ではありましたが、6月下旬なのでそこまで冷たくなく、ちょうどよい水温でした。普通に深いので、泳げない人は溺れないように注意してくださいね。
さて、天然の水風呂を楽しんだら、休憩スペースへ。
暖炉のデザインもスタイリッシュでおしゃれよね。こちらも全面ガラス張りなので、海を見ながらのんびりできます。ウォーターサーバーがあるのでお水も飲み放題だよ。
改めて、Löyly Helsinkiは五感で楽しむサウナだな、と。
とことん無駄を削ぎ落としたデザインのなかに、佇んでいるだけで洗練された気分になる。
木々の隙間からこぼれる光や、ゆらめく炎、空を飛び交うカモメの声、鼻を掠める潮の香り。
とにかくおしゃれすぎるんですよ。最先端の場所だからこそ、友だちと一緒にチルする感覚で訪れている人が多い印象でした。
……というか、1人で来ている人はいなかったんじゃないかな……?
洗練されたサウナ時間を過ごしたい人にオススメです。
わたしは、薪ストーブサウナに2回、プレハブの電気ストーブサウナに3回入ったところで大変満足いたしました。
デッキの上からの眺めも素敵!
夏至の空をバックにした姿も美しいね。建物全体がアート作品のようでした。
ちなみに併設のレストランのほうが人が多くて、とても賑わっていました。Löyly Helsinkiを訪れた際は、ぜひレストランにも行ってみてね。
近辺にはお店も多いので、サウナ後にぶらりとお散歩するのも楽しかったです。
いしかわゆき
サウナと温泉と旅をこよなく愛するライター。
好きなサウナは地方にある広々灼熱サウナ。
好きな水風呂は深くてキンキン天然水。
好きな温泉はpH9以上の強アルカリ性温泉。