サウナとセットで語られる「ととのう」とは、実際のところ、どういった状態を指しているのか?
体のメカニズムから、ととのう状態になりやすくなるコツまで解説。
心の底から「ととのった~」と思えるために!
「ととのう」ってなんだ?
「ととのう」とは、ひとことで言うと「リラックスしてはいるが、眠くなく頭が冴えている感覚」だ。
人間の体は急激な環境の変化があると、生命維持のためそれに適応するようになっている。
サウナで急激に温まって、水風呂で一気に冷ます。その後に外気浴、休憩という極端な環境の変化を経ていくことで「特殊な感覚 = ととのい」が訪れる。
普段、脳は、無意識のうちに考えごとをしていることが多い。脳に疲労が溜まっていると、ついボーッとしやすいが、サウナ→水風呂→休憩という一連の過程をこなすことによってその疲労が取れ、スッキリとした精神状態になるのだ。
どんな条件だと「ととのい」やすい?
時間帯は、夕方や夜の方がととのいやすいそうだ。なぜかというと、朝起きたときは体が目覚めている状態であり、交感神経が優位になっているため、そもそもリラックスしづらいからだ。
その分、夜は体のリズムが睡眠に向かっているため、副交感神経が優位になりやすいコンディションなのだという。
そのほか、日中にしっかりと動いて、適度な疲労が溜まっていること、寝る前の2~3時間前にサウナに入ること、そして、しっかりと サウナ → 水風呂 → 休憩(外気浴)のフォーマットにのっとる――といった点が、ととのいやすい条件となる。
そのとき、体はどのような状態に?
サウナのような熱い環境に入ると、いち早く体を反応させるために普段とは違う自律神経が勝手に動く。
加えて、「熱いサウナ」と「冷たい水風呂」という2つの大きな環境の変化によって、興奮物質であるアドレナリンが分泌される。
水風呂を出て外気浴(休憩)をすると、体が、いわゆる「危機の状態からの生還」によって血液の中のアドレナリンが半減していく。
つまり、サウナと水風呂のときは交感神経が優位になって、休憩する際に安心して副交感神経が優位になるのだ。
そして、「休憩時」の2分間が最も「ととのい やすい」 時間となる。
写真/PIXTA